あらすじ

【第一話】薔薇學校異聞

全く芽が出ない小説家志望の青年、伊織のもとへ、幼馴染みの小春が数年ぶりに尋ねてくる。聞けば、彼女が通う女学校で奇怪な事件が起こっているらしい。

美術室にいる“蜘蛛の神様”にお願いすると、生まれ変わる事が出来る」という噂がまことしやかに囁かれ、事実その願いを叶えた少女が存在するのだという。

伊織の“視えないものが視える力”を使って噂の真相を解明為て欲しいと小春に懇願され、渋々調査に乗り出す伊織。

類い稀な美貌を持つ牡丹(ぼたん)。牡丹の義理の姉妹のやせっぽちの少女、繭子(まゆこ)。

繭子の”エス”の衣榮(きぬえ)。男装の麗人教師、紫苑(しおん)。

女学校の個性豊かな面々に圧倒される伊織だが、校舎内の探索をしているうちに、奇妙な現象に出くわす。

少女達の変身願望・嫉妬・愛情が、事件を思わぬ方向へと導いてゆく……。

 

【第二話】颯太と勝治

突然、連続男児傷害事件の犯人として警察に連行される伊織。無実を主張するが、信じて貰えない。

そこへ小春の兄、千秋が現れ、窮地を救う。

千秋の話では、最近男児ばかりが、突然歩行困難になり、転倒して怪我をする事件が多発しているらしい。

「お前が定職に就かないから疑われるんだ」などと諭され、怒り心頭で帰路に就く伊織。

その途中で、坊主頭の男の子が、いじめっ子に囃し立てられている場面に出会い、不本意ながらいじめっ子達を追い払う羽目になる。

少年の名前は颯太(そうた)と言った。それから、颯太と颯太の父・勝治との交流が始まるのだが……。

 

【第三話】人形病棟(ヒトガタビョウトウ)

ついに、伊織の最高傑作が完成した。意気揚々と知人のカストリ雑誌編集長に持ち込むが、あえなく没を喰らってしまう。

落ち込む伊織に編集長は「失踪した記者の代わりに、記事を書いてもらいたい」と持ちかける。

森の奥にある病院から少女の泣き声が聞こえるという、いかにも胡散臭い記事だ。

適当に済ませてしまおう……と思っていると、事件に興味を持った小春が、一人で取材に行くと言い出す。

慌てて止めるが言う事を聞かない。仕方なく「時間が出来たら一緒に行くから、それまで待ってくれ」と小春を説得する。

納得したように見えた小春だったが、その数週間後、「事件の捜査に行く」と告げ、姿を消してしまう。

千秋から小春失踪の知らせを聞いて責任を感じた伊織は、千秋とともに小春捜索に乗り出すのだった。